小池さんは角落ちの下手の時はいつもこれという中飛車。

 重量級同士の迫力ある熱戦もようやく終局に近づいてきた。最後まで粘って”さすがにタフだなー”という思いを盤側にいだかせた小池さんも十段に何発もパンチをくらい、矢折れ刀尽きた形で投了となった。

 最後に加藤十段の後日の感想―

「あの将棋の序盤の急戦はやっぱり角落ちの下手としては損なわかれだったと思います。
今度もし小池さんと対局する機会があればもっとじっくりこられるんじゃないかな。
小池さんがよくプロの四、五段に勝っていることは知ってますが、
今回私が小池さんに勝ったということでじゃあ私がプロの四、五段の人に角で勝負できるかというと、
それはとてもそうはいきませんよ。
若手棋士に”加藤先生相手じゃあ角でも勝てませんね”なんていわれたこともありますけどそれは冗談ですからね。
四、五段の棋士に角じゃあ100パーセント勝てないと思ってます。
もし将棋世界で加藤十段と○○四段の角落ち戦なんて企画を立てても私は逃げますよ(笑)。
でもアマチュアの強豪の人なら角は勝負だと思っています。
もちろん簡単に勝てるとは思ってはいませんが。
ところが小池さんは小池さんでプロの四段なら自信がある。
この辺が面白いところでねえ
結局アマの人は平手なら経験も情報も豊富で十分力を出すことができるけれども、
駒落ちに関しては未だしってことなんじゃないかな。
そういうことだと思いますね」

??????

加藤一二三十段(当時)の会話が楽しそうで面白い。