―― あらためて、谷川九段にとって羽生九段とはどのような存在なのでしょうか。

「最もすごいと思うのは、相手に力を出させずに勝つのではなくて、相手にも高い内容の将棋を指させて、なおかつ勝つところでしょう。
大山先生(大山康晴十五世名人、名人18期、タイトル通算80期、1992年にA級在位のまま死去)は後輩相手に苦手意識を植え付けるようなところがあって、
強い人でも、なぜか大山先生とのタイトル戦になるとどうしてこんな不出来な将棋になって負けてしまうのか、ということがよくあったんです。
羽生さんは常に、名局と言われるような将棋を対戦相手と作り上げながら勝ってきた」


これって稲葉、糸谷、広瀬、豊島に力を出させなかった藤井はどうすりゃ良かったんだと言いたくなる