誰が一番強い棋士なのか?
実績で一番なのは誰なのか?
この疑問に取り組むために後半一致率に着目してみた
序盤(前半40手)を除外した一致率(“後半一致率”)が高い棋士ほど中終盤が強いはずだからだ
結果は、まさにその通りになった
後半一致率が70%以上の棋士にはレーティング上位の棋士が名を連ねた
まだ、1月から解析を始めたばかりなので好不調がそのまま出ている
それが>>501である

比較参考のために藤井七段の2018年の“後半一致率”を調べた
今年の藤井七段は快調な滑り出しとは言えないことが、数字にも現れている
だから年間を通したランキングは当然違ってくるだろう
そのため、一致率が70%未満の棋士は名前を伏せてあるが極めて棋力に連動している感触を得ることができた
無冠となった羽生九段は1995年の羽生より後半一致率が低下している
一方で無敵時代の大山名人は現代棋士に伍してもトップクラスの数字だ
さすがというほかない
それだけでなく、相手棋士の後半一致率を比べると、大山名人の相手(升田、二上等)のほうが全体的にレベルが高かったことが数字にハッキリと現れている

もうひとつ、奨励会三段という「棋士」が1995年の羽生七冠と遜色ない数字を出していることが現代将棋の特徴となっている
つまり、ソフトの手をなぞる将棋が流行して序盤ばかりでなく40手以降の中盤にまで深く食い込むようになったのが大きく影響している
とくに相居飛車で短手数(100手以内)で終わる将棋に顕著となっている
棋力の差は研究から全く離れた終盤に、とくに短手数で決着がつかず終盤が長くなる将棋に現れることになる