好きな和歌を引用するスレ
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何か思ふ何とか嘆く世の中はただ朝顔の花の上の露 よみ人知らず (新古今和歌集) 相思はぬ人を思ふは大寺の餓鬼の後に額づく如し 笠郎女 燻製卵はるけき火事の香にみちて母がわれ生みたること恕す 塚本邦雄 ながむれば霞める空の浮雲とひとつになりぬかへる雁がね 藤原良経 車輪には観覧車しか使わない職人がきょう埋葬された 笹井宏之 五月待つ花橘の香をかげば昔の人の袖の香ぞする よみ人知らず(古今集) 笛の音のとろりほろろと鳴りひびき紅色の獅子あらはれにけり 斎藤茂吉 空しく冷えて魂は故郷へ帰ったポケットに時計ばかりが
コチコチと動いて居るも情け無や 戦友より 生ける蛾をこめて捨てたる紙つぶて花の形に朝ひらきをり 森岡貞香 箱根路をわが越えくれば伊豆の海や沖の小島に波の寄る見ゆ 実朝 花見んと群れつつ人のくるのみぞあたら桜のとがにはありける 西行 あやつりの人形のごと嬰児のみちたりて腕をふるさまあはれ 佐藤佐太郎 我が行は久にはあらじ夢の曲瀬とはならずて淵にてありこそ 大伴旅人 てのひらの手相の野よりひつそりと盲目の鴨ら群れ立つ日あり 寺山修司 はつなつのゆふべひたひを光らせて保険屋が遠き死を売りにくる 塚本邦雄 そま河やうきねになるる筏師は夏の暮こそすずしかるらめ 藤原定家 青嵐 ふく夕まぐれ 路地の口より 鮫のあたまが 出かかってゐる 花山多佳子 月影の入るをかぎりに分け行けばいづこかとまり野原篠原 平忠度 名を持たぬ神が炬燵の対岸に脚ぬくめをり目逸らしがたし 黒瀬珂欄
(欄は、本当は木へんじゃなくてさんずいへん) 弁当に梅干し入れて昆布入れて、そんな私が英語を講ず 大松達知 口中に一粒の葡萄を潰したりすなはちわが目ふと暗きかも 葛原妙子 しりぞきてゆく幻の軍団はラムラムララムだむだむララム 岡井隆 ラリって見た幻覚かのような…
批判するわけじゃないけど いかにせん都の春も惜しけれど馴れし東の花や散るらん 『熊野』より 樂人を逐つた市長がつぎの夏、蛇つれてかへる――市民のために 塚本邦雄 たつぷりと真水を抱きてしずもれる昏き器を近江と言へり 河野裕子 うなゐ子がすさみに鳴らす麦笛の声におどろく夏の昼臥し 西行 ひじやうなる白痴の僕は自転車屋にかうもり傘を修繕にやる 前川佐美雄 秋といへど木の葉も知らぬ初風にわれのみもろき袖の白玉 藤原定家 難民が死んだ分だけ食卓のミルクは増える――だから 、死になよ。 森本平 君が行く道の長手を繰り畳ね焼き滅ぼさむ天の火もがも 狭野茅上娘子 頭の中でピチンと何か割れた音
イヒヽヽヽヽ
……と……俺が笑ふ声 夢野久作 かきくらす心の闇にまどひにき夢うつつとは世人さだめよ 在原業平 冥きより冥き途にぞ入りぬべきはるかに照らせ山の端の月 和泉式部 わが泣くを少女等きかば
病犬の
月に吠ゆるに似たりといふらむ 石川啄木 萩の花くれぐれまでもありつるが月いでて見るになきがはかなさ 源実朝 くろ髪の千すぢの髪のみだれ髪かつおもひみだれおもひみだるる 與謝野晶子 まちがひと咎めても咎めてもかかりくる電話のごとく或日死は来む 竹山広 夜をこめて谷のとぼそに風寒みかねてぞしるき峯の初雪 崇徳院 いづくとも身をやる方の知られねばうしと見つつもながらふるかな 紫式部
万葉集 (一) 岩波文庫 2013年1月16日発行 1080円
約60年ぶりの新版か
歌よみは下手こそよけれ天地の 動き出してたまるものかは 宿屋飯盛. 西成に運固踏みつけ 泣く馬鹿の 声聞く時ぞ 春は嬉しき ある日われ蝙蝠傘を翼としビルより飛ばむかわが内脱けて 大海の磯もとどろによする波われてくだけて裂けて散るかも ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています