【ゴールディング】蠅の王
疎開する少年たちを乗せた飛行機が、南太平洋の無人島に不時着した。生き残った少年たちは、リーダーを選び、助けを待つことに決める。大人のいない島での暮らしは、当初は気ままで楽しく感じられた。しかし、なかなか来ない救援やのろしの管理をめぐり、次第に苛立ちが広がっていく。そして暗闇に潜むという“獣”に対する恐怖がつのるなか、ついに彼らは互いに牙をむいた… ジャックが問題児かと思ったら、ロジャーの方がヤバい奴だった Fly flies ハエが飛んでれら
Flies fly ハエたちが飛んでれら 十五少年漂流記のヤバいバージョン
むしろ楳図かずおの漂流教室の方にテイストは近いか 栄養状態が悪くて恐怖不安絶望に堪えかねて野蛮化していくってQアノンとかJアノンみたいなヒトたちそのものじゃんw
ラルフみたいな合理的なヒトの方が憎まれて孤立し易いってのも怖いね歴史だ ネタバレするけど
最後軍人だったか大人が島に来て助けられた瞬間殺人鬼たちが子どもに戻るシーンが印象的だった
その後大人たちがこの島でいったい何があったのか真相を調査し驚き嘆き恐怖する後日談が頭に浮かんだ
大人/日常・正気に対する子ども/非日常・狂気という概念枠を物語化した名作ではないか なんだかんだ子供同士だし、仲違いしつつつも最終的には協力しあって救助さへるのかなと思いきや…
後半の容赦ない感じがディストピア醸し出して結果として名作になってる 最初の状況がよくわからん
何で大人いなくて子供だけ島に散らばった状態になってるの イングランドの比較的富裕な少年たちが、オセアニア方面に航空機で疎開する途中だった気がする
いちおうあの物語は軽くSFで、未来の核戦争を背景にしている
敵機に撃ち落とされて子供たちだけ島に不時着したみたいな設定 文明から隔絶された孤島での
まだ文明に毒されてはいない少年たちによる生活は
決してユートピア的なものではなく
どんどん原始部族社会的な野蛮に回帰するというお話
でもまあ、救出された後には文明社会における
より大規模な民族間抗争の予備軍として訓練されるわけだけど
ラストは軍艦でのお迎えだからね
ちなみに豚の生首を
ユダヤ・キリスト教からみれば異端と見られる神への
供物として捧げるのは
パレスチナあたりの古代宗教の風習であり
豚の他にも男児も生贄としてと捧げていたらしい
タイトルの「蠅の王」(ベルゼブブ=バアル・ゼブル)とはそういう事だろう あの子達は飛行機で一緒だったの?
ほら貝で集まってきたとき初対面のような感じだったけど。
不時着した飛行機からは各自勝手に出て行ったんだろうか 不時着した飛行機は潮で流されたの?
中にいた大人はどうなった?
そもそも飛行機は降りたんだっけ
子供たちだけパラシュートで降下したとかだっけ この小説読み易いわりに、意外と現代の大衆化した人間たちの姿にも当てはまるから、作品としての寿命が長いんだよな そんなもんよ
ドストエフスキーの罪と罰ですらすんなりと受け入れられるし