文学理論 12
岩川ありさ『物語とトラウマ クィア・フェミニズム批評の可能性』
「多和田葉子、李琴峰、古谷田奈月、森井良、林京子、大江健三郎、岩城けい、小野正嗣といった現代作家の作品を丁寧に読み解き」 エーリッヒ アウエルバッハ
ミメーシス―ヨーロッパ文学における現実描写〈上〉、〈下〉 (ちくま学芸文庫)
リアル書店で問い合わせしてもらったら、9月中旬以降に復刊されるとのこと。厳密に文学理論の本か私には分かりませんが、載せておきます。 ポール・ド・マン、『読むことのアレゴリー (講談社学術文庫)』(12月15日発売)
「批評界に大きな衝撃を与えるとともに、文学批評はもちろん、哲学・思想の領域にも深い影響を与えた巨人ポール・ド・マン(1919-83年)。」 五月女颯
ジョージア近代文学のポストコロニアル・環境批評(2023年1月14日発売)
「ジョージアを代表する二人の作家、イリア・チャヴチャヴァゼ、ヴァジャ゠プシャヴェラを対象に、二人の作品群をポストコロニアル批評として大胆に読み解いていく。ジョージア近代文学を環境・動物批評など新しい文学理論を駆使して解読し、新機軸を打ち出す。」 武田 悠一『読むことの可能性;文学理論への招待』(2017年8月23日)
「「テクスト理論」から「精神分析」まで、
「文学理論」の「定番」をわかりやすく解説、
今のわたしたちに意味のある形で実践する入門書!」 瀬戸賢一、宮畑一範、小倉雅明
『[例解]現代レトリック事典』
(2022年11月28日発売)
「人にアピールし、説得する時に働くレトリックのメカニズムとは?実例を挙げ、多彩な言語表現の有り様を72の技法を手がかりに解明。」
修辞学ということで文学理論に入らないでしょうか。 >>8
紹介文からは、原理的な研究のもとになる文学理論に見える。
ただし、軽薄化されてなければ、だが。 >>9
なるほど、ちょっと高額な上に気軽に書店に行けない状態なので、出版社のHPを見てみましたが、この目次ならおそらく大丈夫ではないかと思います。
https://www.taishukan.co.jp/smp/book/b612475.html >>10
見本があるので読んでみたが、とても面白そう。
安ければ買うんだけどね。 イヴ・K・セジウィック
『男同士の絆―イギリス文学とホモソーシャルな欲望―』
twitterで1月16日に重版されるという情報がありました。
https://www.unp.or.jp/ISBN/ISBN4-8158-0400-1.html 磯前順一、タラル・アサド、酒井直樹編
『ポストコロニアル研究の遺産: 翻訳不可能なものを翻訳する』(2022年12月19日)
http://www.jimbunshoin.co.jp/book/b614405.html 蓼沼正美
『超入門!現代文学理論講座』 (ちくまプリマー新書)(2015年10月5日)
「従来の作家論や作品論による作品読解ではなく、現代文学理論による作品読解を高校生になじみ深い作品や作家で実践的に解説。旧知の作品の新たな魅力を発見する。」
https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480689467/ 武内佳代
『クィアする現代日本文学: ケア・動物・語り』(1月27日発売)
「本書では、金井美恵子、村上春樹、田辺聖子、松浦理英子、多和田葉子という5人の作家が1970年代から2010年代にかけて描き出した7つの小説に着目する。」
https://www.seikyusha.co.jp/bd/isbn/9784787292711/ 「これらの小説を、アイデンティティのあり方を多様に読み替え/書き換えていくクィア批評と、動物やケアなどをめぐる批評理論を縦横に組み合わせて読み解き、小説に内在する多様性や小説固有の強度を浮かび上がらせる。」
すみません、引用する部分を間違えました。 小川公代『ケアの倫理とエンパワメント』(2021年8月30日発売)
https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000354535
「自己と他者の関係性としての〈ケア〉とは何か。
強さと弱さ、理性と共感、自立する自己と依存する自己……、二項対立ではなく、そのあいだに見出しうるもの。ヴァージニア・ウルフ、ジョン・キーツ、トーマス・マン、オスカー・ワイルド、三島由紀夫、多和田葉子、温又柔、平野啓一郎などの作品をふまえ、〈ケアすること〉の意味を新たな文脈で探る画期的な論考。」 ジョン・ストーリー『ポップ・カルチャー批評の理論 現代思想とカルチュラル・スタディーズ』(2023年4月10日発売)
「マルクス主義から精神分析、構造主義、ジェンダー研究、ポストモダンまで、
現代思想を通して理解できる。
英米文学、コミュニケーション学、社会学、言語文化論を学ぶ学生に最適!
英国カルチュラル・スタディーズ大家による世界的ベストセラー、待望の翻訳書刊行!」
https://www.tkns-shobou.co.jp/books/view/529 小倉孝誠『批評理論を学ぶ人のために』(2023年4月5日発売
「脱構築批評からフェミニズム批評、システム理論、そしてエコクリティシズムまで。 20 世紀から現代までの理論を幅広く学び、具体的な作品分析をとおして批評のプロセスも体感できる入門書。」
個人的な意見ですが、このシリーズはすぐ品切れになるイメージがあるので、興味のある方は、すぐに買われてはいかがでしょうか。
https://sekaishisosha.jp/smp/book/b621948.html アニマルスタディーズまではいった体系的な本が出るのは
もう少し先か 小林昭博『クィアな新約聖書 クィア理論とホモソーシャリティ理論による新約聖書の読解』(2023年3月24日)
「フェミニスト聖書学を伸延し、キリスト教の再構築を目指す。」
https://www.kyobunkwan.co.jp/xbook/archives/111352 文学理論興味あるんだけど、何から入っていいか分からない テンプレに載っている入門書から好きなのを読むといいと思います
若干中身が古いけどイーグルトン『文学とは何か』は入手しやすく通史的な記述となっているのでおすすめです 説明文が難しいから他の本をワンクッションとして読んでから読んだ方がいいけど、ワードマップシリーズの『現代文学理論―テクスト・読み・世界』は幅広くて、読みごたえがあった
未だにワープロだとか古臭いものが出てくるのが惜しい点だけど。 文芸 2017年2月号 【特集】 春
河出書房新社
【特別対談】
◆渡部直己×斎藤美奈子
「批評よ、甦れ 『日本批評大全』刊行によせて」
斎藤 七〇年代に西洋式の批評理論の流れが紹介されて、流行ったことがあったでしょう。
テリー・イーグルトンの『文学とは何か』が紹介してるようなやつ。
印象批評から始まって、現象学、解釈学、受容論ときて、
構造主義批評、ポスト構造主義批評、フェミニズム批評やマルクス主義批評に行き着く、みたいな。
ああいう流れと日本の批評は全然違うということでしょうか。
渡部 欧米の批評に精通しているわけではないので、確言のかぎりではないですが、
あちらでは少なくとも、こちらのような逆流が平気で起こるということはないようです。 五月女颯『ジョージア近代文学のポストコロニアル・環境批評』(2023年1月23日)
「ジョージアを代表する二人の作家、イリア・チャヴチャヴァゼ、ヴァジャ゠プシャヴェラを対象に、二人の作品群をポストコロニアル批評として大胆に読み解いていく。ジョージア近代文学を環境・動物批評など新しい文学理論を駆使して解読し、新機軸を打ち出す。」
https://seibunsha.net/books/ISBN978-4-86520-062-1.htm 小川公代『世界文学をケアで読み解く』(2023年8月7日発売)
「『ケアの倫理とエンパワメント』で政治、社会、医療、介護の分野からも
注目される英米文学者の〈ケアの倫理〉にかんする画期的な問いかけ。」
https://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=24355 >>20
詳しいことは分かりませんが、この本、本日発売されたようです。 書物復権2024の候補に「S/Z」や「感覚学としての美学」が
https://store.kinokuniya.co.jp/event/fukken2024/
「S/Z」の予価8800円(本体8000円)にびっくりだよ。
俺が古本で買った1981年の第2刷は定価3000円なんだけど。 甲田直美『物語の言語学—語りに潜むことばの不思議』ひつじ書房(2024年2月7日発売)
「『物語』、『語り』という観点から、言語学と隣接領域をわかりやすく解説した画期的な書。物語、神話、マンガ、うわさ、都市伝説、ナラティブ・ケアなどの豊富な事例から具体的に、音声、文字、翻訳、文法、談話分析、さらには物語論、文体論、会話分析を幅広く、楽しく学ぶ。」
言語学の本ですが、物語論、文体論は関係あるのではないでしょうか。
https://www.hituzi.co.jp/hituzibooks/ISBN978-4-8234-1202-8.htm 音楽ガチ分析チャンネル
てけしゅん音楽情報 | 今の音楽がわかる 偽日記@はてなブログ 古谷利裕
2024-04-08
⚫︎『ART AND OBJECTS』(グレアム・ハーマン)が扱っているのは、具体的な作品
というよりあくまで美術に関する言説で、作品そのものについて多少なりとも突っ
込んで書かれているのは、六章のダダとシュルレアリスムとの根本的な違いについ
ての部分くらいだろうか。だから、美術というより美学の本で、カントから始ま
り、フリード、グリーンバーグ、ローゼンバーグ、スタインバーグ、クラーク、ク
ラウス、ランシエールが扱われ、加えて、ダントーやド・デューヴ、フォスターな
どにも触れられる。扱われている人たちは、「モダニズムとの距離感」によって立
場を測れるような、つまり、批判的であったとしても割合とモダニズムの近傍にい
る人たちで、クレア・ビショップとかボリス・グロイスみたいな人には触れられな
い。要するに「古いモード」の中で書かれている。今、あえて、この「古いモー
ド」を(魔改造して)持ち出すというところに、ハーマンの意図があるはずだろう。
⚫︎「OOOの原理を用いれば何でも語れてしまうよ」というような危険さは、ハーマ
ンの書くものには常にあるように思う。でもそれは逆から考えると、OOOの原理を
どこまでも拡張して使ってみるという実験であり、ある装置を、どこまで拡張でき
るのか、実際に拡張してみるとどうなるのかを試しているのだとも言える。脇を固
めるよりも、とにかくどんどんやっていく(本を書きまくる)という姿勢に好感を持
っている。
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