「警告を恐れて相手にぶつかるなとは言えない」
セネガルは、現地時間28日に行われたロシア・ワールドカップ(W杯)グループリーグ最終戦でコロンビアに0-1で敗れ、
勝ち点などで並んだ日本に警告数の差で決まる「フェアプレーポイント」で及ばず、無念の敗退となった。
セネガルを率いるアリウ・シセ監督は、「フットボールをするうえで、イエローカードを恐れて相手に接触するなと指示できない」と語り、3試合で警告6枚を積み上げた選手を責めなかった。
クールなスーツに身を包み、ドレッドヘアをなびかせたシセ監督は、今大会で一躍時の人となった。
悲しみの敗退にも、潔い紳士ぶりを貫き通した。
「イエローカードの差で決まった? 選手は規則を知っていたと思う。
ルールの正しさは分からないが、フットボールをする上でイエローカードを恐れて選手にぶつかるなと言うことは難しい」
スピード、パワー、テクニック、そして規律も兼ね備えたセネガルだったが、今大会はイエローカードを6枚積み上げてしまった。
日本は4枚で、2枚の差が明暗を分けたが、アグレッシブに戦い抜いた選手たちを指揮官は擁護。世界各国で物議を醸したフェアプレーポイントについて、泣き言を言うこともなかった。
不運なルールに泣いたが大会に感謝
「2試合目を終えてナイジェリアとセネガルだけが(アフリカ勢で)決勝トーナメント進出の可能性があった。
ドローシステムの結果、ヨーロッパや南米の素晴らしいチームと対戦しなければいけない。
アフリカは全て負けてしまったが、アフリカのフットボールは正しい道を歩んでいると思う」
FWサディオ・マネ(リバプール)、DFカリドウ・クリバリ(ナポリ)ら世界的名手を擁するセネガルは、アフリカの希望と呼ばれた。
ダイナミックな攻撃サッカーは世界で高い評価を手にした一方で、コロンビア戦では前半に一度PKを認めながらVAR判定の末に取り消される不運もあった。
「日本(日韓W杯)で選手としてプレーし、ロシアでは監督としてプレーした。
大会の組織もサポートも素晴らしかった。感謝したい」
クールないでたちからロシアで「セクシーな象徴」と呼ばれ、女性に絶大な人気を誇ったシセ監督。
恨み言は一切なし。去り際まで貫いたダンディズムに、世界から称賛の声が集まっている。