◆「振動が心配」、地表の陥没を懸念する声も
深さ40メートル超の大深度地下を掘り進めるリニア中央新幹線の第1首都圏トンネル工事のうち、
新たに川崎市と東京都町田市の3カ所で3月末までにシールドマシン(掘削機)による調査掘進がスタートすることになった。
「調査」と銘打ってはいるものの、いよいよ掘削機が足元を通過するだけに、沿線住民からは「工事中の振動が心配」などと
心配する声が漏れる。

JR東海は昨年11月~今年1月、東百合丘(川崎市麻生区)など3カ所の非常口付近の住民向け説明会を計8回開催。
調査掘進で振動などのデータ収集をしながら実際にリニア車両が通るトンネルを掘り、課題があれば対策を講じた上で
本格的な掘進に移行するといった計画を示してきた。
説明会は報道機関に非公開で実施された。参加者に取材すると、不安を解消できたとは言いがたい。
1月下旬に東百合丘非常口付近であった説明会では「工事による悪影響は考えにくい」と主張するJR東海に対し、
振動のほか、地表の陥没や隆起、地下水への影響を懸念する意見が相次いだ。「リニアが近くを通ることを知らない人がまだたくさんいる。
きちんと広報して」と会社の姿勢にも疑問符が付けられた。

東京外郭環状道路(外環道)の大深度地下トンネル工事の陥没事故などを受けて始まった調査掘進だが、先行する東京都品川区など
2カ所は機器の不具合などでストップしたままだ。
説明会に参加した川崎市麻生区の80代男性は「誰からも見えない地下だからこそ不安。
安心・安全な工事なんてあり得ない。リスクを冒してまでリニア新幹線の必要はあるのか、改めて問いたい」と訴えた。