世界最大の太平洋と、世界最大のアジア大陸に挟まれた日本には、3つの選択肢がある。

1 欧米の強国と組む。
日英同盟、三国同盟、日米安保。

2 アジアの大国と組む。
明治の初頭に清朝中国に打診するが、ボロクソに見下され、蹴られた。
前大戦の終盤、ソ連に講和の仲介を託すが、裏切られた。

3 どことも組まず、日本単独で軍事大国を目指す。
言わずと知れた、日本帝国。縦深に乏しい日本本土から、戦線を遠ざける戦略に追われ続けた。
少ない人口に厳しい徴兵制を敷き、乏しい国力と生産力の多くを軍備に費やし続けた。
国民負担はハンパでなかった。

4つ目はありえない。
日本列島それ自体が世界屈指の戦略要衝である。
日本列島そのものが不沈空母であり、軍港であり、防波堤であり、水門であり、豊富な水源と肥沃な農地を備えた兵力プールである。
無防備な日本列島は、列強諸国近隣諸国の草刈り場となり、日本人同士が駆り立てられて戦わされる。