■ 秒殺された「野田聖子、小池百合子新党」  NO,3(完)

〇 野田氏の入閣でゲームオーバー

「国政の野田、都政の小池」のツートップが実現していたらインパクトは大きかっただろう。
「大きかった」と過去形で書いたのは、この構想は残念ながら現実味を帯びる前に消えてし
まった。8月3日、野田氏は安倍首相の求めに応じて総務相に就任。安倍内閣の一員となった
ところで、野田氏が自民党を離党して新党に加わるというシナリオはゲームオーバーになった。

先ほど紹介した8月13日の会合も、野田氏が入閣した後だったので、
新党を目指して布石を打つ会合だったはずが、細川氏にとっては「残念会」になってしまった。

政治に「たら、れば」は禁物だが、もし「小池・野田新党」ができていたら、民進党も合流するなど、
ダイナミックな野党再編につながる可能性もあった。軽井沢会合に出席した「角栄の孫」らも加わる
ようなことにもなったかもしれない。

安倍首相が、細川氏の「策謀」をどこまで知っていたのかは分からない。
ただ、危険の芽を摘んでおくために閣内に野田氏を取り込んだ初期消火対応は、見事というほかない。
この結果、政治情勢は「安倍1強」の秋を迎えた。

プレジデント・オンライン 2017.9.21