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回転不足判定、ダウングレード判定には、「全てのはっきりとしない場合には、テクニカルパネルはスケーターの利益になるように務めるべきである。」とありますが、今回の大会ではその理念は感じられませんでした。
選手は0.1、0.01スコアを上げるために、いろいろな努力を積み重ねています。ショートプログラムからこうした判定が出ていたので、フリー当日の公式練習で多くの選手たちは着氷後の跡を何度も確認して、ちょっと異常な雰囲気でした。
終わってしまった結果については何を言っても始まらないのですが、この結果を受けて、偉大な先輩スケーターがそうだったように、選手はこの悔しさと怒りをエネルギーに変えて新しいスタートを切ってさらに向上していくしかありません。

帰国してすぐに、今回の世界ジュニアで現地に行っていた日本の関係者の方たちに「もう一度映像を見てください。」とお願いしたところ「宮原のフリーの1本目のルッツはしっかりアウトエッジで踏み切れている。
「e」がつくのは確かに判定がおかしいと思う」と言ってもらいました。「それ以外の回転不足に関してはグレーゾーンだと思う」とも言っていました。先に書いたルール「全てのはっきりしない...」の観点からすれば「グレーゾーン=はっきりしない」です。
少なくともルッツの判定に関しては、見ている方にも不当だと認識してもらいました。今さらISUに抗議はできなくても意見する方向で行動すると約束してもらいました。
今回のような判定が繰り返されないよう、強化部や僕たちコーチは大切な自国の選手を守るために気持ちを一つにして、なんらかの対応や行動をとる必要があると僕は思っています。
よい演技によい判定、よい結果がでる、フィギュアスケートを愛する人が望む本来フィギュアスケートがあるべき姿になってほしいと思い、あえてここで言わせてもらいました。