◇◆2月の街◆◇

「楽しみにしててほしいからクゥちゃんにお留守番お願いしてきたけど・・・」
「やっぱりひとりだと心細いなあ」
『あっれー?ミラっちじゃない』
「ひゃっ!あ、だ、妲己さん!?こ、こんにちは」
『はい、こんちはー。もしかしてミラっちもチョコ買いに来たわけ?』
「ひゃ、ひゃい!クゥちゃんに手作りチョコレート、あげたくて・・・」
『うっわー、2月だってのに急に暑くなってきちゃったな〜?赫灼ラブラブごちそうさま〜♪』
「はう・・・そ、そういう妲己さんもチョコレート、買いに来たんですよね?」
『そうそう!ワタシから貰えなかった〜って枕を濡らす男子らがいたらかわいそうっしょ?』
『一応、図書館仲間らには義理チョコ、あげよっかな〜って』
「だ、妲己さんみたいにすごく、綺麗な人からもらえたら・・・きっと、うれしいですよね・・・」
『・・・あら、嬉しいこと言ってくれるじゃないの♪』
『よし、それじゃお姉さんが後輩の相談にのってしんぜよう〜』
「は、はひ!!お願いしますっ!!」

「クゥちゃんは体が大きいから、普通のチョコレートじゃ物足りないと思うんです」
『ん〜予算もあるし量はごまかせないかもだけど、これだったらまったり味わえるんじゃない?』
『でもそれだけだと男子には足んないよね?これとか使ったの一緒にするとイケるかも?』
『で、トドメのオマケでごにょごにょ』
「ええ〜!!」

「ありがとうございました、妲己さん!クゥちゃんに喜んでもらえるよう、がんばってみますっ!」
『はいどーも、またねぇー。それと』
「はい?」
『アンタもすごく綺麗だからさ、自信もってクゥちゃん、オトシちゃえ!!』
「!? は、はいっ!!」

『あ〜あ、ダッキさんってばなにやってんだろ』
『久しぶりに本命チョコ、作りたくなっちゃったじゃん・・・』
『ねえ、いいよね・・・きっと・・・』