この日、フィンランドの独ソ戦争に対する態度を決定するための秘密国会が開催された。
市民はソ連地上軍の侵攻を噂している。当初首相ランゲルは、中立を表明する旨の原稿を
用意していた。しかし、フィンランド諸都市に対する大規模空襲が行われたことを受け、
草稿は全面的に書き改められた。ランゲルも大統領リュッティも共に、フィンランドが
自衛行動に出る事を宣言したのである。ラジオで演説したリュッティは、次の言葉で
結んだ。

「市民諸君、過去数世紀にわたり我が国が置かれたこの辺境の地では、永続的な平和は
達成出来ないことが示されて来た。我々は常に東方からの圧力に晒されてきた。長年の
脅威を除去し、次世代に幸福で平和な生活を約束するために我々は防衛戦争を開始する。」