「朝鮮人も日本人も話し合へばわかる、と言つてゐた堀君が朝鮮人暴徒によつて殺されてしまつた。
朝鮮人などといふものに話し合ひなど通じぬことは、ちょつと考へればわかりさうなものだ。
先の戦争の後も日本は朝鮮を支那から解放してやつたといふのに、あの連中はその恩義さへ感じていないぢゃないか。
本当に惜しい人を亡くしたよ。朝鮮人や支那人は日本人とは似ても似つかぬもの。
あの低劣さにはついてゆけぬ。予は日本に生まれて本当に良かつたと思つている。」

夏目漱石
関東大震災の日、堀紫郎(会津出身の侠客)遭難の報を受けて