アメリカのイマを読む
米国で進化論を信じる人が過半数超え

多くの日本人にとって、「エッいまだに?」と驚いてしまうことが米国で続いている。米市民の10人中4人が、人間が神によって創造されたといまだに信じているのだ。
いや、ようやく10人中6人が「進化論」を信じるようになったと言い換えた方がいいかもしれない。米ピュー・リサーチ・センターが2015年11月に明らかにした調査で、
ほぼ6割が進化論派になった。2004年11月に米CBSテレビが行った世論調査では、回答者の55%が「創造論」を信じていると答えていたのだ。
だが過去10年で急速に進化論を信じる人が増え、形勢が逆転したのだ。変化が起きていると述べて差しつかえないだろう。いったい過去10年で何が起きたのか。

その前に、ここで便宜的に使った創造論と進化論という言葉について簡単に記しておきたい。

創造論は、神が(旧約聖書ではエロヒム)天地を創造。さらに、自分をかたどって男と女を創造したとする捉え方だ。旧約聖書で人間の祖として記されているアダムとイブは、
いまでも創造論を信じる人たちが連綿と語り続けている人物である。一方、進化論は英自然科学者チャールズ・ダーウィンが1859年に発表した『種の起源』で記した
自然選択説を基礎にした考え方だ。同書は生物の進化を実証的に説明している書物である。端的に述べるならば、人間は神が創造したものではなく、
生物の進化の歴史の中で誕生したという解釈をしている。『種の起源』は創造論と対比する形で議論を展開してしおり、米国では進化論と創造論が社会をほぼ二分している。

http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/246942/112400010/?rt=nocnt