1917. 8. 28
フォッカー三葉機の実戦投入

 連合軍の新型機の登場によって、アルバトロス戦闘機が築いてきたドイツ軍の空での
優勢は揺らぎつつあった。

 ドイツ機の弱点はそのエンジンで、連合軍戦闘機が搭載する150馬力から200馬力の
大出力エンジンの量産がネックであった。

 そこでフォッカー社では、エンジン出力がものをいう速度性能はあえて犠牲にして、
とにかく格闘での小回りがきく戦闘機を開発した。これがフォッカーDr.I三葉機である。
エンジンは110馬力であった。
 開発には、イギリス軍の三葉戦闘機、ソッピース・トライプレーンの捕獲機が大いに
参考になったという。

 フォッカー三葉機はこの日ヤーシュタ10とヤーシュタ11に引き渡され、実戦において
その性能を確認していくこととなった。
 フォッカー三葉機は格闘戦を得意とする多くの撃墜王が愛用し、特にドイツのトップ
エースのリヒトホーフェン大尉、一人狼の撃墜王ヴェルナー・フォス少尉などの愛機と
なった。

 そのとがった性能とエンジンの非力さ、そして生産数の少なさから、ドイツ航空軍の
主力機と呼ぶには難があるが、本機は第一次大戦の空を代表する戦闘機のひとつと
して名高い。