「宇宙軍」は必要か?米議会と空軍が激烈バトル
中ロが宇宙戦力の強化に邁進、米議会で高まる危機感 2017.7.1(土)
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/50383
事の発端は、下院軍事委員会が6月22日に明らかにした2018年度国防予算草案に、
陸海空海兵隊に続く第5の軍種「宇宙軍(Space Corps)」を創設せよという提案が盛り込まれたことにある。
米下院軍事委員会の案はこうである。
・空軍長官は2019年1月1日までに「宇宙軍」を空軍管轄として設立することを確約せよ。
・宇宙軍は宇宙軍総参謀長をトップとして、宇宙軍参謀本部を設置する。
・宇宙軍参謀総長の任期は6年。
 空軍参謀総長と同格とし、また陸海空海兵隊のトップと同様に統合参謀本部のメンバーとし、空軍長官の直属とする。
・空軍長官は、宇宙装備についての研究・開発・試験・評価・調達の目標を決定する権限を持つ。

これに対し、ヘザー・ウィルソン空軍長官は「国防総省はもう十分に複雑怪奇だ。この議会提案は、
その国防総省をさらに複雑化し、屋上屋を架し、より多くの予算を無駄遣いするものでしかない」と激しく反対した。

マイク・ロジャース下院議員を筆頭とする宇宙軍創設論の急先鋒の議員たちは、見解が異なるようだ。
彼らによると、航空戦の発達に伴い米陸軍から米空軍が分化したように、現在の宇宙空間の軍事的意味と
中ロの宇宙戦力の増大は、まさに宇宙軍創設を必要としている。その流れに逆らう米空軍の姿勢は退嬰(たいえい)的だという。
「我々のスマートフォンも軍事力の運用も、宇宙の人工衛星に依存している。国家もそうだ。
だから、中国やロシアは米国の人工衛星を潰せば、米国に勝利できると認識している。宇宙に戦争が及ぶのは必然である」
「空軍長官は絶対に間違っている。彼らはF-35の予算獲得のために宇宙戦力の強化を犠牲にしようとしているのだ」
ロジャース氏はヘザー・ウィルソン空軍長官を批判し、「場合によっては宇宙軍長官を創設し、宇宙に関する任務を
空軍から切り離すべきかもしれない」とまで言及し、対立はエスカレートしている。
ある海軍軍人は、「宇宙軍は海軍省に設置すべきである」と唱えている。


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