画期的な核酸医薬、スピード承認 神経難病の治療薬
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ03HDX_T00C17A7000000/

 米国では、最も重症の「乳児型」SMAの場合、2歳までの間にほとんどが死亡する。
日本では人工呼吸器を付けて延命が可能だが、
寝たきりの生活となる。病気の原因は遺伝子の異常。筋肉を動かすのに必要なたんぱく質が正常に作られないために生じる。

 バイオジェンは、世界で初めてのSMA治療薬としてスピンラザを開発。米国では2016年9月に申請し、
わずか3カ月の速さで承認が下りたことが話題となった。日本では16年12月に承認申請が行われ、7カ月での承認となったが、通常よりも大幅に速い。

 スピード承認の背景にあるのは、良好な臨床試験の結果だ。スピンラザを投与された試験対象の人たち(群)では
51%の患者が運動機能を改善、偽薬の群は0%だった。効果が明白だったため、中間解析のデータで承認申請が認められた。

 患者団体の「SMA家族の会」副会長の女性は「早く承認され非常にうれしい。
乳児型以外の患者にも早く使えるようになってくれれば」と期待を込める。




 核酸医薬は第一三共や大日本住友製薬、日東電工など、多くの国内企業が開発に参入している。
スピンラザの承認で開発に弾みが付きそうだ。

 なお、同薬の薬価は通常なら8月に決まる。米国では1瓶1400万円の値段が付く。
最初の1年は8400万円、2年目以降は年4200万円の薬剤費となる。

 昨年米国で承認された筋ジストロフィーの核酸医薬「エクソンディス」も、小児で年8400万円の価格設定であり、
スピンラザが異常とはいえない。