北朝鮮問題 トランプ氏の忠実な相棒:安倍首相

北朝鮮情勢を巡り対立する見解が交錯する中、ドナルド・トランプ米大統領にとって頼りになる人物が1人いる。日本の首相はいつでもトランプ氏に賛同してくれるのだ。
 トランプ氏は不意に攻撃的な発言をすることで知られているが、安倍晋三首相は慎重に言葉を選んで論点を繰り返すタイプの指導者だ。
しかしながら両者の立ち位置は、実質的には同じである。それは、日本は有事に際しては米国の軍事力に依存すること、また安倍氏は北朝鮮に個人的にいら立ちを覚えており、そのいら立ちはトランプ氏と重なることを反映している。
 安倍氏は、トランプ氏との間に認識の違いがないよう腐心している。その姿は、トランプ氏の不用意な発言に不安を示す他の国の指導者とは対照的だ。トランプ氏は先週、北朝鮮に対し「炎と怒り」に見舞われることになると強い警告を発した。
 安倍氏が率いる自民党と連立政権を組む公明党の山口那津男代表でさえ、トランプ氏の発言に不快感を示した。
山口氏は15日、北朝鮮と米国との間で「挑発的な言動がエスカレートすることは世界が望むところではない」と訴えた。
 しかし安倍氏は、トランプ氏と同様に、北朝鮮の頑な態度が難局を招来したと同国を非難している。
安倍氏の北朝鮮に対する断固たる姿勢は、日本が特に関心を持っている問題で強固になった。それは、1970年代から80年代にかけて北朝鮮が数十人の日本人を拉致したとされる問題だ。
その一方で安倍氏は、トランプ氏と同様に、北朝鮮に対し融和的な姿勢も示そうとしている。小野寺五典防衛相は15日、「対話により決着がつくのが最も望ましい」と述べた。
小野寺氏は、自分の見解はジム・マティス国防、レックス・ティラーソン国務の両長官がウォール・ストリート・ジャーナル紙への寄稿で示した主張と同じだと語った。

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