>>382
極超音速ミサイルには極超音速滑空飛翔体(HGV)と極超音速巡航ミサイル(HCM)の2種類がある

・HGV
弾道ミサイルのブースターに搭載されて発射されてブースター燃焼終了後に分離されるところまでは
弾道ミサイルと基本的に同じ
ただし分離後は高度数十キロの大気圏上層部を紙飛行機のように滑空しながら飛び、その間は
空力操舵である程度自由に軌道を変更することができる
(ICBMはブースターから切り離されるとそのまま高度数百〜1000キロ以上の大気圏外を弾道を描いて
飛ぶので、HGVのように空力を利用して軌道を変えることは再突入するまでは不可能)
ICBMよりも低い軌道を飛ぶので地上のレーダーから探知するタイミングが遅れる、SM-3やGBIのような
大気圏外用の弾道ミサイル迎撃ミサイルの迎撃下限高度より低いところを飛ぶ、途中で不規則に
軌道を変えるといった理由により既存のBMDでは弾道ミサイルと比べて迎撃は難しいとされる

・HCM
エンジンにより大気圏内を水平に動力飛行する巡航ミサイルのうち、極超音速で飛行するもの
エンジンとしてはスクラムジェットエンジンが使われ、高度数十キロをマッハ5以上の極超音速で飛ぶ
無動力で滑空するHGVと違い、エンジンでずっと推進しつつ飛んでいく点がHGVと異なる
HGVと同様の理由に加え、巡航ミサイルとして考えた場合には既存の亜音速や超音速の巡航ミサイルより
高速で高高度を飛ぶので普通の地対空ミサイルだと速すぎたり届かなかったりしてこれまた迎撃は簡単ではない

ミサイル自身が空力加熱に耐えられるようにするのは技術的にはかなり難しい
でもアメリカ、ロシア、中国はHGVやHCMの開発で着実に成果を出していってるから遠からず克服されるんじゃない?