中国は去年、およそ2800万台の自動車が販売された世界最大の自動車市場です。
その規模は2位、アメリカ(1786万台)のおよそ1.5倍。日本(497万台)の5倍以上に達します。

中国の自動車工業協会によりますと、このうち電気自動車の販売台数は乗用車と商用車合わせて40万台にのぼります。
(略)
どうして中国で電気自動車の販売が急速に伸びているのか。
それは中国政府が、大気汚染の拡大を食い止める、いわば国策としてEV導入を促しているためです。

このため電気自動車に対するさまざまな優遇策が設けられています。
代表的なものが、電気自動車を購入した人に政府から支払われる補助金です。
日本円にして最大で100万円余りが支給されます。

冒頭のショールームで販売されていた新型の電気自動車の価格は、日本円で370万円ほどですが、
補助金が支払われるため、購入者の負担は260万円ほどですみます。

優遇策は補助金だけではありません。
交通渋滞と大気汚染が深刻な北京では、ナンバープレートの下1桁の数で、道路を走れる車と走れない車が決められています。
たとえば月曜日の場合、ナンバーが1と6の車、火曜日は2と7の車が主な道路を走ることができないといった感じです。
このため所有者は週に1度、車を利用できないことになり、その日は地下鉄やバスで通勤しなければなりません。
しかし電気自動車はその規制の対象外。いつでも制限なく道路を走ることができます。

さらにガソリン車に比べて電気自動車を購入しやすくする優遇策も設けられています。
北京では、自動車を購入する前にナンバープレートを取得する必要があります。
交通渋滞を抑制するため、発行できるナンバーの数が決められていて、150倍とも言われる抽選に当選しなければ
車を買うことができません。しかし電気自動車はここでも規制の対象外。
いつでもナンバープレートの交付を受けられるのです。

ショールームでインタビューした人は「3年挑戦しても当選しなかったが、
電気自動車にしたら1か月でナンバーを取得できた」とうれしそうに話していました。

http://www3.nhk.or.jp/news/business_tokushu/2017_0922.html