【日銀短観】人手不足が25年半ぶりの水準に 「人手不足クライシスのような状況」

日銀が2日発表した短観=企業短期経済観測調査では、企業の人手不足感が
およそ25年半ぶりの水準まで高まっていることがわかり、多くの企業で働き手の確保が
深刻化している実態が浮き彫りになりました。
日銀の短観では、国内のおよそ1万1000社に景気の見方を聞くとともに、従業員の数が
「過剰」か「不足」かも尋ねて指数化していて、マイナスが大きくなるほど人手不足だと感じる企業が多いことを示します。

今回の短観では、企業の規模や業種を問わず、軒並みマイナス幅が大きくなり、大企業が
前回より2ポイント低下してマイナス18ポイント、中小企業も5ポイント低下してマイナス32ポイントとなりました。
この結果、全体では前回より3ポイント低いマイナス28ポイントとなり、企業の人手不足感が
平成4年2月調査のマイナス31ポイント以来、およそ25年半ぶりの水準まで高まっていることがわかりました。

一方、併せて調査した今年度の設備投資額は、昨年度に比べて、製造業は11.7%、非製造業は0.8%、
それぞれ増やすとしています。人手不足が深刻化する中、企業の間では、工場の生産工程や物流拠点での
仕分け作業を自動化するといった、いわゆる「省力化」のための投資が増えていて、こうした取り組みが
人手不足の緩和や生産性の向上にどこまでつながるのか注目されます。

■専門家「人手不足クライシスのような状況」
大和総研の長内智シニアエコノミストは、深刻化する人手不足について、「一部の業種では“人手不足クライシス”
のような状況で、戦略的に進める省力化投資もあるが、人手不足に迫られて省力化投資せざるをえない企業も
増えてくると思う」と話しています。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20171003/k10011165661000.html