われわれが最も高性能のパソコンが欲しければ、ネットでググれます。すぐ情報が出て来る。
所が、軍用品は違います。ネット上にある情報が全てではありません。これが一つ誤解の原因になります。ググって出てこないものは存在しないと錯覚する。
軍用品の世界では、しばしば、お得意さんの法執行機関や制服組相手でなければ、出てこない新製品の情報は山ほどあります。
そういう情報は、OBにした所で、制服を脱いだ瞬間に情報は入らなくなる。更新が止まった知識を元に、「そんなもんは聞いたことがない」と笑うOBは一定数います。
これも、世の中に自衛隊装備万能信仰を蔓延させる一つの原因です

もちろん、そういう情報を苦労して取ってきて、自衛隊に売り込むOBはいるし、内部で熱心に情報収集している人々もいるにはいる。外には清谷さんがいる。
でも、官相手に仕事している人はご存じのように、競争入札と言いつつ、指定席があるのも事実です。よう解らん入札資格を問われて参入障壁があったりする。
石器時代の陸自の衛生装備を見て驚愕した海外の軍用医療品メーカーが、押っ取り刀で駆けつけて、最新の救命装備を売り込もうとしても、門前払いして国内メーカーを守る仕組みが完成されている。
そこで、メーカーの怠慢が起こるわけです。海外の情報を集めようとしないし、別に海外で売る気もないから、新製品の開発に資金を投じる気も無い。
海外では骨董品扱いされている装備を、堂々と自衛隊に納入し続け、金を出す側も、自分の責任じゃないから、実績と信頼のあるどこそこ製品というだけで、導入し続ける。
だから、南スーダンPKOとか出て行った時に、中国軍部隊に笑われたりするわけです。
なんでお前たちはそんな古めかしい代物を今も使っているんだ?何なら俺たちの装備を貸そうか?w、と笑われる。