大戦略(国家戦略)に関してやはりリデル=ハートの『戦略論』を読むべきと思う。
ハードは軍事に関して(多分商売上の理由もあって)間接アプローチに固執する面はあるが、本の中に大戦略に関しての論述は優れる。
しかし大戦略は戦略と戦術と比べれば広く認知される概念ではなく、さらに政治的領域に入ったため、民主主義社会に置いてその研究は難しい。

民主主義的には内閣官房や国務省レベルの機関なら長期的大戦略を構築することは理論上では可能であるが、総理や大統領の意思を凌駕すべきではない。
しかし共産党政治局ような独裁的エリート政治機関に向いてる概念だ。
だがその政治局でもドロドロの人事抗争を優先にすることが多い。
大手会社の取締役会とあまり変わらない。

まあ、大本営の歴史を見れば分かると思うが、エリートだけで構成された意思決定機関でも必ず信用できるわけではない。