>>908-910
その整理はいいね。

クラウゼヴィッツ理論を元にモルトケが作り上げたドイツ流軍学が言ったことはある意味正しいが、
最大な問題は、モルトケの教え子たちが実務面で「情報を収集して未来を予測する」のことを軽視し、情報軽視作戦重視に走った。

孫子は逆に「知」と「先知」、つまり情報と未来予測を重視し、戦争において事前計算の重要性を説く、最終的に「勝てない戦はしない」という、ある意味、戦の極意に到達した。
しかし孫子兵法は元々概ね「侵攻する側に立てる」を前提に書いた書物だった、現実において侵攻される側は勝てない戦を避けられないことも多かった。
臨機応変はそんな戦争をする人の最後の希望だ。それに「勝てない戦はしない」の指揮官は臆病者と見られることが多い。
それに、たまには勝てない戦を勝った天才が現れるだから戦争が恐ろしい。

クラウゼヴィッツが言った、戦の天才というのは、闇の中に光を見つけ出せる人だ。
興味深いことに、後で孫子信者になったのリデル=ハートは、若い頃、戦争を「闇の中の殴り合い」と形容し、両手を出して相手を掴む、つまり情報と偵察の重要性を説いた。