>>315
ごく初期の潜水艦の救難方法には「船体にワイヤを掛け、ワイヤを巻き上げる船を挟んで反対側に錘を沈めていき、釣り合いを取る形で引き揚げる」っていう方法があった。
これはこれで事前作業が大変で、潜水艦が大型になると作業が困難になるので難しくなっていく。

ごく浅いとこならともかく、大概潜水艦が沈んで行動不能になるような海域はダイバー潜らせて作業するには深度がありすぎることが多いので、引き上げにかかるコスト(ダイバーの命、というものも含めて)を考えると、
「乗組員を可能な限り救出して、潜水艦本体は棄てる」のが一番だ、ということになった。

なので救難方法も「耐圧カプセルを沈めてドッキングさせ、そこに収容して浮揚させて回収する、を繰り返す」(レスキューチェンバー)や「深海潜水艇をドッキングさせて乗り移らせる」(DSRV)といったものが主流になる。
また、上にあるように、潜水艦の側からも水中に脱出してなんとか水上に上がって来れるような装置を人数分備えておく、ということになった。

深海に沈んでしまったけど回収しないといろいろマズイ、でもダイバーや普通の潜水艇じゃ作業できないし・・・というのを回収した例はありはする。
ものすごく大変だったみたいだけど。

なお、潜水艦に限らず沈んだ船を引き揚げる場合、中途半端に内部に空気が残っている方が大変になる。
浮力が偏った位置にある、ということは「いつ水中でバランスを崩すかわからない」ということなので。
いっそ全部空気抜いて(中に人がいるならできないけど)大馬力のクレーンか釣り合い法で引っ張り上げるか、一度全部空気抜いた上で改めて空気送り込んで浮揚させるほうが楽だし危険も少ない。