一式戦:隼 飛行第31戦隊長:陸軍大尉 西進
後にグラマンがついてきていたのだ。
操縦桿を引き、急旋回し、切り返してこれに反撃をくわえると、また別の一機が喰いついてくる。
急激に回避する。つぎからつぎからと敵は執拗に喰い下ってくる。
一瞬のすきもなく回避また回避だ。高度は下がるばかりだ。
上昇性能は敵におとるが旋回性能はすぐれているので、敵の弾丸はあたらない。
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二式単戦:鍾馗 飛行第9戦隊附:陸軍軍曹 古川留市
有難いことに二単の上昇性能はP−51に勝りいつまでも七、八百メートル以上の高度差を維持することができた。
敵を撃墜できるほど射距離をつめる攻撃はできなくても相手から攻撃される心配はなかった。

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五式戦: 飛行第111戦隊第2大隊長:陸軍少佐 檜与平
降下の出足速度は満足すべき性能であった。旋回性能は急旋回の半径がおどろく程小回りの利く飛行機である。
ビルマでP−51と隼二型で対戦した時と比較すると、相手を全速で追撃しても隼では徐々に引き離されていくのに
五式戦では完全に追い付く事ができた。
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雷電と鐘馗はやはり似たり寄ったりなんだろうな。上昇力だけを頼りに「生き残る」戦法。
「翼幅荷重」を意識した土井武夫流の設計を施していたなら、運動性も手に入れることも可能だったと思うが、
空技廠も三菱・堀越も、自動空戦フラップの実用化で手一杯だったわけだしね…

自動空戦フラップ世代の紫電改・烈風が五式戦相当。
零戦は、隼同様、旋回運動性で「生き残る」戦法。