これらはハイブリッド戦争における既成事実化(fait accompli)に対応する為ことが目的であり、
海洋プレッシャー(Maritime Pressure)戦略は西太平洋での軍事的侵略行為は失敗する事を相手(中国)に判らせることとしており、
これは抑止体制の構築を目指すのものと言えます。

次にインサイド・アウト防衛(Inside-Out Defense)は海洋プレッシャー(Maritime Pressure)戦略下において行われる作戦構想となっており、
各同盟諸国と連携し第一列島線で軍事的封鎖線を構築、ここで進出を遅滞している間に米軍主力が機動打撃&縦深攻撃をかますという、
我々陸戦脳にとって非常に判りやすい構成の模様w

また、説明にもマルチドメインの呼称が散見されますが、
海洋プレッシャー(Maritime Pressure)戦略とインサイド・アウト防衛(Inside-Out Defense)は、
マルチドメインオペレーション(MDO)に取って代わるものではなく、
あくまでもMDOの概念下における西太平洋という一地域における地域戦略とその作戦構想という位置づけに思えます。
これは海洋プレッシャーがMDO同様に抑止体制の構築を目的とし、インサイド・アウト防衛がマルチドメインを強く意識した作戦構想という点からも伺えます。

MDOはあくまでもドクトリンであり具体的な戦略・作戦構想は概念説明的なものばかりで、
まだあまり具体的なモノは表に出ていないように思っていましたが、これが具体的な構想案と言う形なのでしょうかね。