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 南京戦の中国軍は上海戦で大打撃を受けた部隊が殆どですからやむを得ません。
 本来の調整師は人員約1万1千〜1万3千名とされています。(理想的には1万7〜8千名ですが実現できず)
 しかも第51師と第58師は支那事変勃発直前の第三期整編部隊で、
装備の輸入が間に合わず編制が調整師としては弱体でした。
 例えば優良編制の第88師は、2個歩兵旅(各歩兵2個団)、砲兵営(ボ式75mm山砲12)、
工兵営、輜重営、通信営、戦車防御砲連(37mm砲6)、特務連、騎兵連、衛生隊よりなり、
将来的に高射砲営の編成を予定していました。
 この師も上海で大損害を受けた姿で南京戦にも参加しています。

 ところが第51師は調べなおしてみたところ旅を持たない3単位改編師で、
歩兵団3、砲兵連、工兵営、通信営、輜重営、特務連、衛生隊と、
歩兵団が1個少なく砲兵も連(中隊)ですから恐らく4門装備だったものと思われ、
戦車防御砲連と騎兵連がありません。(但し2旅4団制とする資料もあり)
 第58師は歩兵旅2(各歩兵団2)は第88師と同様ですが、騎兵連、工兵営、通信営、輜重営、特務連、衛生隊で、
砲兵営と戦車防御砲連がありません。

 調整師の歩兵団は基本的には教導総隊と同編制とも言われますが、実際にはやや劣っているようで、
第88師でも歩兵営3(各歩兵連3、機関銃連、迫撃砲排、特務排)、歩兵榴弾砲連(75mm歩兵砲4)、通信連、特務排。
 主要装備は75mm歩兵砲4、82mm迫撃砲6、7.92mm重機18、軽機81ですが、
師によっては歩兵榴弾砲連の代わりに小砲連(20mm機関砲6)を持つものもあります。
高射砲営を持たない師の歩兵団には小砲連を持つ傾向があるようです。
 75mm歩兵砲が連隊砲、82mm迫撃砲が大隊砲に相当する編制ですね。

 一方、日本軍第六師団の歩兵連隊の主要装備は、
四一式山砲4、九四式速射砲4、九二式歩兵砲6、九二式重機24、十一年式軽機72、八九式重擲72、十年式擲弾筒4。