(続き)
結論から先に言えば、国内メーカーは残念ながら真の意味でのデジタル化に必要なノウハウを、十分には持ち合わせていない。
”ひゅうが”型のOQQ-21で実現したのは、単に従来のアナログ音響処理をデジタルに置き換えたものであり、デジタルならではの発想を
取り入れているとは思えない。このような技術レベルで、新ソナーを開発するのは極めてリスクが高いといえる。(中略)

物造りの得意な日本人は、ハードを造り出す技術は世界一であったとしても、ソフトとなると若干分が悪い。
(中略)探知距離予察モデル一つとってみても、残念ながら諸外国とはかなり差があるのが実情である。

残念ながら技本開発では、いかに我が国の国防力向上のためという大義名分があったとしても、研究機関の英知を結集するのは難しい。
 
思い切って思い切って考え方を変え、技本開発であっても外国製の優れたソナーをまず参考購入し、徹底した比較検討を行う。技術的に最も優れ、
かつオープン・システムのソナーのベースに、海自の要求や我が国周辺の作戦環境に合致した音響処理ソフトを開発し、徹底した試験を繰り返し、
完成度を高めるのがもっとも合理的だろう。