非核化に向けた米朝の実務協議で、北朝鮮の金明吉首席代表は5日夜の協議後、
スウェーデンのストックホルムで記者会見し「協議は決裂した。米側が手ぶらで現れた」
と述べた。
 米側の交渉準備ができていないため協議を中断すると表明、年末まで米側に熟考を促す
とした。
ttps://mainichi.jp/articles/20191006/k00/00m/030/010000c

 一方、米国務省は北朝鮮側のコメントについて、8時間半以上に及んだ今回の協議の
「中身や精神」を反映していないと指摘。
 2週間後に再協議するというスウェーデン政府の招待を米国側は受け入れたと説明した。
ttps://jp.reuters.com/article/northkorea-usa-sweden-idJPKCN1WL02F

 金大使は協議が「決裂した」と言いながら、「熟考を勧告する」と米国にボールを投げ返した。
2020年大統領選を前にトランプ政権が外交成果を焦っているとの見立てとともに、対北朝鮮
最強硬派のボルトン前大統領補佐官が9月に解任されたことにより、米国が大きく軟化する
可能性に期待をかけているものとみられる。
 一方、北朝鮮の予想外の「高めのボール」に米側が動揺したことは、実務協議での立場を
説明する異例ともいえる長文の声明にもあらわれた。
 米側の交渉責任者、ビーガン北朝鮮担当特別代表は協議再開を前に、これまでの核兵器の
完全廃棄要求から、プルトニウム生産やウラン濃縮などの凍結要求へと方針転換を示唆する
など、協議を前進させる「譲歩のシグナル」を送ってきた。
 北朝鮮はこうした米側の姿勢では不十分だとして突き返す戦略を今回は選んだ。
ttps://mainichi.jp/articles/20191006/k00/00m/030/129000c