>>424
ロシアが長年実効支配してきた領土を半分中国に割譲したことは画期的だが、あえて譲歩した最大の理由は、
「21世紀の超大国」である中国との紛争の芽を事前に摘んでおきたいとの思惑によるものだ。
国境を未画定のまま放置すれば、中国はいずれ、極東への途方もない領土要求を持ち出しかねない。
中露国境を早めに画定させた方が得策とロシアは考えたようだ。

3/4
中国が兄貴分
04、05年当時は中露蜜月が最高潮だった時期。年に5、6回首脳会談が行なわれ、初の合同軍事演習も実施された。
イラク戦争を受け、中露は反米外交で結束を強化。
エネルギー協力も進み、領土問題決着へのモメンタムがあった。逆に言えば、両国関係が下り坂になりつつある現在なら、国境交渉の決着は難しかっただろう。
中露間では、中国が資源を買って製品を売る事実上の植民地貿易、ガス輸出交渉の難航、中国によるロシア製兵器のコピー生産、中央アジアをめぐる主導権争い、中国人の極東シベリア不法滞在、中国軍増強など水面下の対立が進んでいる。
何よりも、中国経済の飛躍で、中露の力関係は大きく変わり、昨年の中国の国内総生産(GDP)はロシアの約4倍に達した。