無骨なフォントで「経産省」とショドーされた大看板を潜り、韓日協議会議場へと向かう韓国要人。
その背部にはリュックサックが見える。

日本のビジネスマナーに明るい皆さんはお気付きかもしれないが、本来リュックサックを持ち
会合へ出向くのはケジメ級のシツレイに当たり、社会人の為すべき事ではないとされる。
だが彼らは決断的にこれを行っていた。
意図的なシツレイは、相手に対し自らの優位性を重点し、
会議の流れを優位に持ち込むフーリンカザンの一種なのだ。

この点において彼らは世界最優秀民族とされる韓国人の中でも
特に模範的なエリート韓国人であると言えよう。
実際、彼らは難関で名高いセンタ試験の外国語科目を
満点でクリアするほどの優秀さを示しており、大いに誇らしさを満足していた。

「ドーモ、大韓民国局長です。本日は協議に来ました」
「ドーモ。協議に来ました」
入室するなり隙のない姿勢でアイサツを決める局長級二名。
これに対する日本人課長は……無言!

無言である。
この瞬間、室内の空気はダイヤモンドダストめいた冷気が漂う
凍て付いたアトモスフィアと化した。サツバツ!