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中国の政治家や官僚が、このような長い「枕詞」でスピーチを始める時は、だいたい何か悪い知らせを取り繕いたい時と、相場が決まっている。
以下は、要約でお届けするが、毛司長はまず、GDPの成長率について述べた。
中国の政治家や官僚が、このような長い「枕詞」でスピーチを始める時は、だいたい何か悪い知らせを取り繕いたい時と、相場が決まっている。
以下は、要約でお届けするが、毛司長はまず、GDPの成長率について述べた。
「初歩の概算によれば、今年第1四半期から第3四半期までのGDPは69兆7798億元で、前年同期比6.2%増加した。
各四半期ごとで言えば、
第1四半期が6.4%、第2四半期が6.2%、第3四半期が6.0%だ。産業別に見れば、第1次産業が2.9%増、第2次産業が5.6%増、第3次産業が7.0%増だった」
この発表に、日本の6大紙は、一斉に辛口の見出しをつけた。
<中国6.0%成長に減速 7〜9月、過去最低を更新>(日本経済新聞)
<中国成長率6.0%、歴史的低水準に 7〜9月>(朝日新聞)
<高まる世界経済への懸念 中国GDP減速の6.0%増>(毎日新聞)
<中国GDP6%増、成長率最低を更新…米中摩擦激化で>(読売新聞)
<中国GDPが6.0%増と過去最低更新 7〜9月>(産経新聞)
<中国GDP、6.0%に減速 7〜9月、92年以降で最低>(東京新聞)

本当に、取りつくしまもないほど、否定的な見出しだ。
ここまで各紙に酷評されると、天邪鬼な性格の私は、「6%も成長できれば十分ではないか」と反論したくもなってくる。何せ日本の経済成長率は0.3%(第2四半期)、韓国は1.1%(同)、香港は0.6%(同)、台湾は2.4%(同)である。
近隣諸国・地域と較べても、中国の経済成長率は群を抜いているのだ。仮にもし、日本が6.0%成長を果たしたなら、「アベノミクスの偉大な成果!」とか書くに違いない。

また、仮に中国が今年通年で6.0%成長したなら、GDPの「増加分」だけで、IMF(国際通貨基金)の昨年の国家別GDP統計に照らすと、20位につけてしまうのだ。
これはスイスの上、トルコの下である。トルコやスイスに匹敵するほどのGDPを、一年間で増やしているのだから、これは十分ではないかと思えてしまうのだ。

だが、中国に問題がないかと言えば、そんなことはない。