セブンペイ被害 店舗に謝罪要求相次ぐ 後手後手対応で混乱に拍車 (産経ビズ 8/8)

不正利用の被害をきっかけに9月末で廃止することが決まったスマートフォン決済サービス「7pay(セブンペイ)」をめぐり、
全国のセブン−イレブンの店舗で客からの謝罪や説明要求が相次いでいる。
廃止を表明した今月1日の記者会見では、持ち株会社や運営会社の幹部が謝罪したものの、セブン本部の後手後手の対応に
多くの利用者の不満は鬱積したままで、混乱する現場の店舗に利用者の怒りが向けられている状況だ。

・省力化とは逆の現状

「パスワードを再設定したが、全部ゼロになった。 緊急ダイヤルもつながらない」。
サービス廃止の表明から6時間後の1日夜、関東のセブン店舗オーナーは高齢女性からのクレームに
「自分ではどうにもできない」と平謝りするしかなかった。

7月1日に開始したセブンペイは、不正利用の発覚を受け4日に新規登録を停止。
11日には外部IDを遮断し、サービス廃止発表の2日前にはグループのネットサービスの共通ID「7iD」の登録者約1650万人に
パスワードの再設定を求めた。 サービスの全面停止を先送りして、さみだれ式の対策に終始し、混乱に拍車を掛けた。

デジタル戦略の要とされたセブンペイは、利用者の購買データの入手による効率的な販売促進などのほか
「店舗の省力化もかなえる」との触れ込みだった。

北陸の店舗オーナーはサービス開始前、セブン本部の要請に応じてスマホの不慣れな客に向け、店頭での登録促進に
労力を費やした。 「登録を積極的に促した分、常連客から怒られ続けている」と、省力化とは逆の現状に肩を落とす。

従業員数人をセブンペイの事前研修に派遣した東京都のオーナーは「今になってみれば無駄だった」と吐き捨てるように語った。(続く)