ボーイング737MAX、旧システムの安全装置が組み込まれず=関係筋

2件の墜落事故を起こし運航停止になった米ボーイング「737MAX」の飛行制御システム「MCAS」には、旧バージョンにあった重要な安全装置が組み込まれていなかった。
旧バージョンのMCASは、民間航空機767型機から派生した軍用空中給油機「KC-46Aペガサス」に搭載されていた。関係筋が明らかにした。
 事故調査担当者は、合計346人が死亡した2件の墜落事故にMCASが関わったとみている。
 10年以上前に軍用機に搭載するために開発されたMCASは、多くのセンサーからのデータに基づいて動作し、このシステムが自動で機首を上げる力は限られていた。
設計に携わった1人はこれについて、MCASが誤った動作をしないよう慎重にチェックする仕組みで、パイロットが機首をコントロールできるようになっていたと説明した
だがMAXバージョンのMCASは、機首の角度を測る2つのセンサーのうち1つだけのセンサーからデータに基づいて動作するようになっていた。またパイロットがこのシステムの動作を解除するのが難しくなっていた。
事故調査担当者は、2018年10月にインドネシアのライオンエア機、19年3月にエチオピア航空機が墜落した事故にはこのシステムが関わったとみている。
インドネシアはライオンエア機墜落事故の最終報告書に、米当局の監督の不備やパイロットの過失に加え、MCASの設計にも原因があると記すとみられているとウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は伝えている。

https://jp.wsj.com/articles/SB12466016764383834145904585581283956776598

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