>>70
避暑地の秋だというのに、地獄の合宿で身も心も折れそうになっていた夕方
うるさがたのOBが飛び入り参加するという
先輩に呼ばれた真奈美さんが、事細かにレクチャーを受けている
「お酒が足りなそうなんで、悪いけど、あの交差点の向こうに酒屋があるから」
「冷やさなくてもいいように、日本酒多目で」
「あ、君も荷物持ちでついていってあげて」


「どう、重い?」
「いや、大丈夫」
「なんだかラッキーだったのかしらね、ずっと合宿所だったから、いい気分転換だわ」
「ポジティブなんだな、僕はもう、洗濯どうしようとか」
「みて、夕暮れがきれい」
言われて、空を見上げた
久しぶりに見る空だった

「ちょっと遠回りしようか」