トランプ政権下のアメリカ社会で新たな現象が起きています。
 社会主義に傾倒する若者が増えているのです。若者を対象にした世論調査では「社会主義に
好意的」と答えた人は51%にのぼり、資本主義の45%を上回りました。
 全米最大の社会主義団体の2年に1度の全米集会が行われていました。その団体の名は、
「DSA=Democratic Socialists of America」(アメリカ民主的社会主義者)
 このDSA、3年前、2016年の時点で、会員数は5000人。それが前回の大統領選挙を機に急増。
トランプ政権誕生後に格差に不満を持つ若者が次々と加入し、現在ではその10倍以上の6万人
と爆発的に増えています。
 集会では、富を分配して、福祉を充実させることで、公平な社会を目指すという理念をいかに
実現するか、3日間にわたって、熱を帯びた議論が続けられました。
 一方のトランプ大統領。先月(9月)の国連総会での演説で、力強くこう語りました。
「アメリカが直面している最も深刻な課題は、社会主義だ。社会主義は国家や社会の破壊者だ。
アメリカは絶対に社会主義の国家にはならない」
 社会主義の否定的なイメージを呼び起こさせて、支持固めを図るとともに、民主党への攻撃材料
にしようという思惑が透けて見えます。
 若者の間で社会主義が広まりつつあるというのは、格差が広がる今のアメリカを象徴する現象
と言えます。来年に迫った大統領選挙の行方を左右する、新たな潮流となりそうです。
ttps://www3.nhk.or.jp/news/html/20191011/k10012121891000.html