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14世紀の大流行
472年以降、西ヨーロッパから姿を消していたが、14世紀には全世界にわたるペストの大流行が発生した。
この流行はアジアからシルクロードを経由して欧州に伝播し、人口の約3割を死亡させた。
全世界でおよそ8,500万人、当時のヨーロッパ人口の3分の1から3分の2に当たる、
約2,000万から3,000万人が死亡したと推定されている。
14世紀の大流行は中国大陸で発生し、中国の人口を半分に減少させる猛威を振るった。
当時ユーラシアの一大勢力を築いていたモンゴル帝国ではチンギス・ハーン末裔の
諸家どうしの権力抗争が続いていたところへ流行が襲い、諸家の断絶を招いて
帝国を衰亡させる要因となった。
1347年10月(1346年とも)、中央アジアからイタリアのシチリア島のメッシーナに上陸した。
ヨーロッパに運ばれた毛皮についていたノミが媒介したとされる。
流行の中心地だったイタリア北部では住民がほとんど全滅した。
疫病の原因が神の怒りと信じたキリスト教会では、ユダヤ人が雑居しているからとして
1万人以上のユダヤ人を虐殺した。1348年にはアルプス以北のヨーロッパにも伝わり、
14世紀末まで3回の大流行と多くの小流行を繰り返し、猛威を振るった。
ヨーロッパの社会、特に農奴不足が続いていた荘園制に大きな影響を及ぼした。
なお、1348年は偶然にも子年である。

今年は戌年だっけ?