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期間は帆船時代と動力船時代の決定的な差異を理解していません。

帆船はある意味、無限に近い航続力と展開力を持ちます。
食料、水の補給は特別な港湾は不要。小さな港や海岸からでもボートを使って補給できます。
(そもそもそうやって大航海肥大はそうやってきました)

しかし動力船になり、戦闘力も輸送力も速度も上がりましたが、燃料と修理の問題が浮上します。
当時の動力船は機械的信頼性も低く、頻繁に修理が必要です。
燃料である石炭もかさばるので積載量が制限されます。

そこで給炭船や工作艦が生まれた訳ですが、長期展開には限界があります。
すなわち帆船時代に用いてた敵海域への長期間展開や封鎖が困難になったのです。

そして艦隊は必ず拠点に物理的な理由で縛られるようになりました。
この変化があるかないかは、作戦次元において決定的な違いを生じます。

その為にマハン後期型の主張は前期型に比べ、根拠地主義と連絡線の意義が決定的に大きくなりました。
前期型は考察時代に起因して、ここを半ば無視していますので、前期型戦略をそのまま実行することが現実的には困難になる場合が容易に想像できるのですが、前記型信者は往々にしてこれを理解していません。
マハン否定者も往々にしてこの違いを理解せずに、前期型を前提にして、マハンを通期で批判する訳です。そして多くの人にはこれがマハンの矛盾と捉えているようですが、それは間違っていると思います。