77名無し三等兵2020/04/27(月) 23:53:50.22ID:7gxstc9s
61名無し三等兵2020/04/27(月) 22:47:11.30ID:7gxstc9s
「省略: その復元可能性の問題」

「「省略文」からイメージされることとして、まず、何かしら不完全な文であることが挙げら
れる。それに関連して、省略文に対応する「正しいJ形、もしくは「元の」形があること、さ
らにそのような完全な文に復元可能であることが、漠然と想起されるであろう。省略現象を扱
った様々な論文でも、このことは暗黙の了解として、現象の説明が行われているものが多い。」

「なお、日本語にはウナギ文と呼ばれる文型がある。i私はうなぎだ」という表現で、「私の
注文したのはうなぎだJを意図するものである。
(10) 吾輩は猫である。
(11) ぼくはうなぎだ。
(12) 中島梓は栗本薫だ。
(13) 渋谷先生はフォンターネだ。
(10)から(13) までの例は、iAはBだ」という、形式的に単純なコピュラ文である。し
かし、 iA = B Jを表わしているのか、帰属を表わす iAE三BJなのか、それともいわゆる
「ウナギ文」であるのか、文型だけでは決定できないち)。判断には、場面・状況・一般的な知
識等が必要とされる。ちなみに(10) は夏目激石の小説のタイトルに等しく、(12) は、作家
栗本薫が「中島梓」というペンネームで評論を書いている、すなわち栗本薫と中島梓が同一人
物であること、(13)では、フォンターネというドイツ写実主義の作家がいたことを知っている
か否かで解釈に影響が出るものと思われる。
(14) 新妻先生はドイツ語だ。
(15) 今日は桑田だ。
(16) i今月は祝言だ。当分は遊べんな」
(17) iおれもずいぶん苦労したぞ。まず言葉だ」
(」