>>925の続き
そんななか、最終ラウンドに進出する2人のなかに滑り込んだのが兪氏だった。
国際社会での地位向上にこだわるお国柄もあり、韓国政府が全面的にバックアップ。
康京和外相はもちろん、文在寅大統領もドイツやロシアの首脳と電話会談を行い、兪氏を売り込んだ。
猛烈な選挙戦が功を奏し、EU諸国は同氏支持を固めたという。

そして、日本を不安に陥れているのが米国の動向だ。 米国はWTOに不満を抱いているが、原因は中国との貿易摩擦にある。
このため、米国の事務局長選での基本戦略は「anything but China」となっている。
最終ラウンドに進出した2人のうち、中国の影響力がより少ない候補者を選ぶとみられている。
現在まで、日本政府が収集した情報によれば、米国は兪氏を選ぶ可能性が高いという。

日本からみれば、韓国は中国に配慮しているという印象が強いが、韓国は米国の同盟国でもある。アフリカ諸国よりは中国の影響力は
及んでいないという判断なのだろう。

■敗者を待つ厳しい未来
国際社会でも、敗者には厳しい未来が待っている。 日本は選挙戦で、韓国の候補者について聞かれても肯定的な反応を示さず、すでに
「日本の韓国嫌い」は公知の事実になっている。
オコンジョイウェアラ氏が勝利すれば、やれやれだが、負ければWTOで今後4年間、ポスト配分などで冷や飯を食わされるのは間違いない。

そして、何よりまずかったのが日本外務省の読みの甘さだ。
外務省は選挙戦の候補者8人が出そろった時点で、「ナイジェリア候補が勝つのは120%間違いない」と、首相官邸や自民党に報告していた。
結果的にオコンジョイウェアラ氏が勝利した場合でも、読みの甘さを指摘されても仕方がない。

外務省は2014年にも、国際司法裁判所での調査捕鯨を巡る訴訟で敗訴した際、事前に「勝訴間違いなし」と報告していて官邸から大目玉を
食らったことがある。そ んな事態の再現にならないことを願うばかりだ。
https://news.yahoo.co.jp/articles/d774729a349d90363f147d99603c0c3dff981834?page=2