西北海道の凄まじい山奥に赴任していた頃
僻地なんで人間関係も濃くて、車で人が識別できちゃうくらいだった

唯一の息抜きが、休日の午後、バイクで1時間弱の小樽に出て、
チェーン店の本屋で本を見繕って、それからモスバーガーで遅めの昼ご飯を食べることだった
日本海に面したキレイなお店で、お昼過ぎだといつも空いてて、
その日の獲物の本をパラパラめくりながらハンバーガー食べるんだ

そのうちに、美人のお姉さん店員さんにも顔が知られるようになって
「今日はチリドッグなくてもいいんですか?」なんて聞かれるように
でもウリは、濃い人間関係から逃れるのも目的のうちだったから、
ちょっとドキドキしてたものの、常連さん扱いされたくなくていつも生返事してたんだ


ところが、ある冬、寮の仲間とスノーボードに出かけるため、深夜にその店を訪れた
なぜかいつものお姉さんがいて、ウリの顔を見て、はっとしてたな
トモダチの居ない奴だと思って優しくしてたら、どうもそれなりに人生エンジョイしてるように見えたんかな

それ以来、休日にその店に行っても、今度はウリがマニュアル応対の生返事で返されるようになったなあ