「薬物に手を出すと廃人になる」私たちがずっと教わってきた話はウソである
https://news.yahoo.co.jp/articles/220398a2c29513f6ac0770186c31ea16d7d26c34
いわゆる薬害教育だ――が開催されるようになった。私は、薬物依存症業界に入ってからの四半世紀、ずっとその仕事が嫌で嫌でたまらず、講師の依頼が来るたびに暗い気持ちになった。
 理由はいろいろある。
まず、会場が体育館という点が気に入らない。体育館は、夏はサウナさながらの灼熱(しゃくねつ)地獄、冬は冬で冷凍倉庫へと、気象条件が極端から極端に振れる過酷な環境だ。だから、講演は往々にして汗まみれになったり、寒さに凍えたりしながらの我慢大会となる。
響も悪く、マイクを通した自分の声の返しが弱い。だから、つい不自然に声を張り上げて話してしまい、講演終了後は、オールでカラオケしまくったと誤解されかねないガラガラ声になる。

 心の古傷に障る感じがするのも嫌だ。

 生徒たちは不憫(ふびん)にも硬い体育館の床に「体育座り」をさせられ、列を正すために「小さく前にならえ! 」とかやらされる。見ているだけでこちらの胸が痛くなりそうな、40年前と何も変わっていない学校の風景だ。

 生徒のなかには友だちとのおしゃべりが止まらない者もいる。私自身、そんなの一向に気にならないのだが、どうにも許容できない人もいる。ジャージ姿の生徒指導担当教師だ。

 彼は、突然、「そこのおめぇーら、立て! 」と、こちらの心臓が止まるかと思うほどの大怒声をあげるのだ。そして、他の生徒たちがいっせいに視線を注ぐなかで、こう叫ぶ。

 「そんなに話したいなら、松本先生の代わりにおまえらが講演しろ。さあ早く前に出て来い!  はい、みなさん、この二人に拍手」。なんという恥辱的な仕打ちだろう。

仕事受けなければいいだろうに。