薬事法違反にならないらしい

「名探偵コナン」の定番アイテム「腕時計型麻酔銃」 実際に使ったらどうなる
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「銃」の形ではないが、銃刀法違反なのだろうか。もしかして、薬品を使っているから化学兵器・・・・? 漫画にも造詣が深い福島隆弁護士に聞いた。

●銃や化学兵器ではないが、「暴行罪」は成立する可能性が大きい

「この『腕時計型麻酔銃』が発射する針は極めて小さく、薬品さえ塗られていなければ身体に害悪を及ぼさないと思われます。
したがって、銃刀法でいう『銃砲』にはあたらず、銃刀法違反にはならないでしょう。

また、化学兵器禁止条約も問題にはなりません。
『腕時計型麻酔銃』に撃たれた人は、瞬時に眠りに落ちますが、短時間で覚醒し、身体のだるさなどの症状は一切ないのが特徴です。
このような効果がある物質は、同条約の『化学兵器禁止法規制物質』には存在しません。
同じく該当物質がないという理由で、麻薬取締法違反・薬事法違反にもなりません」

では、「腕時計型麻酔銃」で誰かを眠らせても、犯罪にならないのだろうか。

「いえ、必ずしもそういうわけではなく、少なくとも暴行罪は成立するでしょう。しかし、傷害罪については断定できません」

なぜ、傷害罪が成立するとは言い切れないのか。その理由について、福島弁護士は次のように説明する。

「ある回で、コナンのライバルともいえる探偵・服部平次が『腕時計型麻酔銃』で眠らされたことがありますが、
そのときは、外部からの衝撃で目を覚ましています。
したがって、使われている薬品は睡眠薬に近いものだと言えるでしょう。

そして、睡眠薬・麻酔薬関連の判例をみると、睡眠薬・麻酔薬で他人を2時間昏睡状態に陥とし入れた事案で、傷害罪が成立したケースがあります。

しかし『腕時計型麻酔銃』は、この判例の事案に比べて昏睡時間がごく短く、
その効果も即効性はあるものの、身体に与える影響が小さいといえるので、傷害罪が成立するとは言い切れないと思います」