特権を問う:検証動画第2弾 
新宿でビルの間をすり抜ける米軍ブラックホーク
https://mainichi.jp/articles/20210613/k00/00m/040/095000c


在日米軍のヘリコプターが東京都心で日本のヘリならば違法となる低空飛行を繰り返している問題で、
毎日新聞は14日、低空飛行の証拠となる第2弾の動画を新たに公開した。

米陸軍ヘリ「ブラックホーク」が昨年12月4日に新宿駅上空を通過した様子を撮影した映像で、
カメラは日本の高度基準を大幅に下回る約200メートルで飛行する様子をとらえている。

日本の航空法令は、人口密集地では建物の上端から300メートルの高さを「最低安全高度」と定め、それよりも高く飛ぶように規定している。
ブラックホークは昨年12月4日午前10時台に新宿駅近くの「モード学園コクーンタワー」(高さ203メートル)の横を同じ高さで通過。
そのままの高さで新宿駅上空を飛び、駅近くの「都庁第1本庁舎」(同約243メートル)と「NTTドコモ代々木ビル」(同約270メートル)の間をすり抜けている。

両ビルの距離は約1100メートル。
最低安全高度の適用エリアは航空機から半径600メートルのため、両ビルの間をすり抜ける飛行は日本のヘリならば違法となる。

毎日新聞はこの低空飛行について今年2月24日に動画「特権を問う・米軍ヘリ首都異常飛行(1)新宿駅の真上で低空飛行が常態化」で紹介したほか、
同日以降、米海軍「シーホーク」による低空飛行なども報じている。

一連の報道を受けて日本政府が米側に事実関係の確認を求めているものの、
米側は飛行からの時間の経過を理由に「詳細な確認は容易ではない」と説明し、最終回答はいまだ明らかになっていない。

https://cdn.mainichi.jp/vol1/2021/06/13/20210613k0000m040117000p/9.jpg
新宿駅周辺の高層ビル群近くを高度約200メートルで通過する米陸軍のブラックホーク=東京都内で2020年12月4日、大場弘行撮影(写真は動画から)