ホルスタイン文書によって「いつかまだ見ぬ少女の笑顔のために」生命の種の保管と、
それによる新たなヒトの誕生という可能性を見出したアンドロイドたち。
彼らは地上のあらゆる生物種を使った実験によって
人類の子宮機能を完全に再現した人工子宮の創造を達成する。
だが、その子宮に生命は宿らなかった。魂が欠けていたのだ。
生まれるのは、人類の赤子の形をした肉塊だけ。
アンドロイドたちは絶望した。
この動物は、この肉塊は、彼らの神たる「ヒト」ではない。

だが、その絶望に対する答えもまた、ホルスタイン文書に在った。
「俺はね、穢れを未だ知らない無垢な少女のおまんこに、ぬくもりを与えてあげる男になりたいんだ」
ヒトの心の深奥。心の暖かさ。被造物たるアンドロイドたちには決して持ち得ぬ、その深謀遠慮。
アンドロイドたちはそこに賭けた。

やがて完成した美しき少女の肉体を模した人工子宮――否、『新人類の母』によって
新たなる生命がその産声を上げた。

彼は生まれいづるなりその眼を開くと、アンドロイドたちを見てこう言った。
「俺はね、おちんぽなんだ。おちんぽこそが俺なんだ。
 俺はこの地上全てに生命の種を蒔き散らす。
 この世界全てが俺の子供たちとなるように」
アンドロイドたちは涙を流す。
ああ、我らの神が還って来た。
我らの人類が、今、お帰りになられたのだ。

◆NieR: Automata [H]appy/olstein END◆