『ロシアから見た日露戦争』(光人社NS文庫/元記者2010)

<戦前>
■露西亜宮廷内には強硬派と慎重派があったがニコライ2世は開戦を決意。
 満州と朝鮮を占領しそこに農民に土地を与え国民の不満を解消し
 同時にシベリアよりは豊潤な土地で慢性的な食料問題を解決するため。

■独逸皇帝ウイルヘルムはニコライ2世と従兄弟だがこれも露西亜の
 東方拡大を支援した。欧州での衝突を避けるため。

■米国は満州が露西亜領となることを恐れアジア市場を荒されないように
 英国とともに日本を支援。スペイン戦争で3億ドルを費やし
 フィリピン独立運動弾圧に6億ドル使い露西亜と戦う余裕はなかった。

■英国はオランダ系白人ボーア人が開発した金鉱の横取りを図り
 戦争となった(ボーア戦争)。2万人超死傷者と2億ボンドの費用が
 かかり余裕がなく日本を支援することになった。

■清は領土を独逸など列強に分割されつつあった。

■日本では親英派と新露派に分かれた。三国干渉の時に英国が役に立たなかった
 ので日英同盟に慎重な意見もあったが、結局そちらが主流となった。
 仏独などが露西亜側で参戦をしたら英国は日本側で参戦する、という内容。