>>188
正規ルートで日本国内に輸入すると凄まじい関税がかかった、
ライカやコンタックスといった高級カメラも、免税で買うと安価であったため、
日本軍占領下の香港や、日本人には事実上の免税であった満州国建国直前直後の大連で買う日本人はいた、
ただ、現地で買える日本人というとほとんど軍人だったのだが・・・。

しかし、太平洋戦争開戦後、迂回路も含めた民間貿易での日独輸出入ルートが絶たれると、
日本国内に入ったライカはわずかな例外を除けば遣独潜水艦によるものだけ、
それも無傷で日独往復に成功した、イ8潜に積まれた機体だけとなってしまう。

エルンスト・ライツ社は正規に出荷したライカについては昔から事細かに記録を残していたのだが、
同社の出荷リストと、現在に残るイ8潜の積荷リストは必ずしも一致していない、
おそらくはドイツ民間市場に出回ったライカを買い付け搭載したものと推定できる、

一方、イ8潜生還後、日本海軍が軍需使用分に召し上げた余りのライカは報道各社に配られ、
真偽のほどはさだかではないが銀座のカメラ店で民間向けに売られていたという証言もあり、
加えて戦後の混乱のあとは「深海をくぐってきたライカ」の全貌の解明はすこぶる困難ではある・・・。