戦争の「野蛮さ」を理解してない。

技術次元で考えれば。
きょうび戦車は確かに無敵の兵器でも陸戦の王者でも何でもない。
対戦車兵器で破壊され、トップアタックには脆い。のカモだ。航空機も対戦車ミサイルもってる。停止してればバンカーごとJDAMでも破壊できる。
地雷にも脆い。もっと安価なIEDでも破壊できる。
最近だと打撃用UAV。上からズドン。
戦車を破壊する手段は数十通りあるだろう。

こうした対戦車兵器に対しては装甲、煙幕、アクティブディフェンス、ジャマー。戦車側にも対抗策がある。
だが、高額だ。それが悩み。
数億円の戦車を数億円で防護しても仕方がない。

ところが、戦術次元。
コンバインドームズで考えると、たちまち別の風景が見える。

まず、安倍一味に戦車とまとめて叩かれてる野戦砲兵の支援だ。
WW1以来の超野蛮な手段。「弾幕射撃(バラージ)」です。
火力要求に基づいて撃つとは限らなない。
戦車含む歩戦チームの攻撃に連接して、戦車に脅威を与えそうな火器が潜む地域に継続して弾を落として活動させない。
そして、これはロシアの常套手段です。だから連中、あれだけ大量の砲兵を抱えているんだ。
最近だと最小単位のBTGでさえ、2個野戦砲兵中隊もくっつけてる。

対空。SAMの支援は多層にわたる。
現実問題、ロシアのほんまもの防空部隊を、本当に少数のF-35Aで制圧できるの?
疑問という他ない。
さらに近年ではS-400のような化物のように射程が長い戦域レベルのSAMもあるし、イスカンデルのような長射程ミサイルで直接航空基地を攻撃される。
そんな中でリアルに対戦車攻撃ができるか?

電子戦。これ今にはじまったことではなく、単独でやるものでもない。
BTGとパラで旅団内に電子戦中隊があるんだ。それで各種通信やレーダーに加え、一般兵士の携帯電話やUAVに至るまで妨害をかける。
こういうの、野戦砲兵の弾幕と同時にやります。
ESMにかかったら、ECMかけるとともに、弾を落として速攻で破壊します。

この戦術的な「野蛮な現実」。

ただし、この程度のことは、公刊資料に出てるし常識だ。だが、「日本の軍事評論家」からはガン無視されてた。

それで、今回のウクライナ危機になって、逆に過大評価して異様なまでに騒いでいる。

ロシアの情報戦ですな。